「琵琶湖は呼吸する」発刊

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2015年10月3日 発刊

内容紹介

琵琶湖をめぐる科学探検物語。日本で最大の湖・琵琶湖は日本列島がまだ大陸とつながっていた約400万年前頃から存在し、実は日本最古の湖です。京阪神地区の貴重な水がめであり、景勝地の多いことで知られる湖ですが、大きな水の流れが存在することについてはあまり知られていません。湖に注ぐ川からの冷たい雪解け水が湖底に向かって流れ、対流を作ります。これによって上・下の水が循環し、一緒に酸素も運ばれます。これが琵琶湖に棲む生き物たちの命の水。この現象を科学者たちは「呼吸する」と呼んだのです。 水の流れは上下のみならず、大きな渦を巻くように水平にも流れますが、これは地球の自転によるもの。「琵琶湖の渦は世界一美しい」とよく知る人は言います。 その琵琶湖が、この半世紀の間、環境の激変にさらされていることを琵琶湖をよく知る科学者たちが、地球物理学、環境科学、生態学などの立場から報告します。最近でこそ、ようやく認識されだした地球温暖化と異常気象の行方、それが琵琶湖では「水温の上昇」として今から22年前より警告されています。湖底ではベントと呼ばれる水煙が噴出する様子が報告されたのは6年前、それが徐々に増えています。同じく湖底では、数十万年前からの琵琶湖の固有種、アナンデールヨコエビやビワオオウズムシが大量発生している様子が、湖底探査ロボット「淡探」による撮影で確認されています。地球環境問題という大きなテーマの真実が琵琶湖という局所で垣間見られる、そういった醍醐味が味わえる著作です。

著者について

熊谷道夫 1951年生まれ。京都大学理学部地球物理学科卒業。同大学院理学研究科博士後期課程修了。地球物理学・陸水物理学。琵琶湖の湖底を探査するロボッ「淡探」の製作者。琵琶湖の地質・湖流・水温・生物を含む環境を広く観察。琵琶湖研究所研究員などを経て、現在、立命館大学教授。日本陸水学会会長。 浜端悦治 1950年生まれ。大阪市立大学大学院博士課程中退。植物生態学・森林資源管理学・自然保護論。琵琶湖研究所研究員などを経て、滋賀県立大学准教授。2014年に夭折。 奥田 昇 1969年生まれ。東京理科大学応用生物学科卒業。京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了。生態学・流域生態系の生物多様性。京都大学生態学研究センター准教授などを経て、現在、総合地球環境学研究所准教授。


登録情報

  • 単行本: 180ページ
  • 出版社: 海鳴社 (2015/10/3)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4875253214
  • ISBN-13: 978-4875253211
  • 発売日: 2015/10/3

 

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